望まぬ妊娠を繰り返す「多産DV」
「避妊してほしい」という妻の意向を無視し、夫がそのまま性交渉をして、望まない妊娠を繰り返させることを「多産DV」と呼ぶ。一方的に性交渉を強要するという意味で、性的DVの一種と言える。
令和6年内閣府男女共同参画局の「男女間における暴力に関する調査」の報告書によると、夫婦間で「避妊に協力しないことが暴力にあたると思うか」と聞いたところ、全体の88.4%もの人がイエスと答えたことが判明。また、配偶者から受けた暴力行為の被害を「誰にも(どこにも)相談しなかった人」に理由を尋ねると「相談するほどのことではないと思ったが52.5%」と最も多く、次に「自分さえ我慢すれば、なんとかこのままやっていけると思ったが28.9%」という結果になった。
多産DVの被害者は、なかなか声を上げられていない現状にある。そんな中、夫に何度抗議しても受け入れてもらえず、年子の子どもを何人も生むことになった女性もいるようだ。
とにかく嫉妬深かった夫
群馬県在住の睦さん(仮名・31歳)は、夫(大輔さん・仮名・35歳)に気持ちをないがしろにされて、何度も妊娠をさせられた苦い経験があると語る。彼女は、飾らない笑顔が印象的で上野樹里に似ている。
「夫と1歳、2歳、3歳になる年子の娘の5人家族です。結婚を機に仕事を辞めたのですが、幼い子どもを3人も抱えていると毎日てんてこ舞いで。大学病院に勤めていた夫は、最近になって自ら病院を開業して。その年収は1600万円ほどなので、子どもが多くてもそれなりの生活を送っています。結婚前まで看護師をしていたこともあり、医師の夫とは職場恋愛の末結ばれました」
交際当初から、夫はとにかく嫉妬深かったという。デートの際にミニスカートを履いていったら「他の男を挑発している」と難癖をつけて、睦さんに肌の露出の少ない服を着るよう指示したのだとか。当時は、それさえも「愛されているから」と考えていたそう。
断ってもしつこく体を求めてくる
「結婚後、ライフスタイルが大きく変化して日々疲れを感じるようになりました。主婦になると、家事に追われて一日があっという間に終わってしまうからです。それでも、夫がしつこく体を求めてくるので『今日はもうくたくただから、また今度にして』と断ったのですが……。彼は『妻がセックスに応じるのは当たり前のことだ』『それに妊娠すれば、お前もそう簡単に浮気できないだろう』と身勝手な発言をすると、一方的に性行為を強要してきました」
それからほどなくして、睦さんは第一子を妊娠したという。
「出産して、子どもが女の子だとわかると夫はあからさまに嫌な顔をしました。そして『跡継ぎの男の子がほしかった』と文句を言ったのです。内心『女の子でも、病院を継ごうと思えば継げる』『ただセックスしたいだけのいい訳にすぎない』と思ったものの、とても本人には言えず……。結局夫が子育てに参加することはなく、思いがけずワンオペ育児を強いられた結果、心身共に疲れ切ってしまって。そんな私の姿を見ても、夫は気にせず性交渉を続けました」
続けて2人目、3人目を妊娠
妊娠したら大変だからと「避妊してほしい」と夫に訴えるも、聞き入れてもらえなかったという。その結果、続けて2人目、3人目を妊娠、出産することになったのだとか。
「夫は妊娠中も私の体を求めてきました。『お腹が張っているから、切迫流産になる可能性がある』と断っても、お構いなしに性交させられて……。産後、子どもが夜泣きするのであやしていると『すぐに終わるから』とセックスに応じさせられることも。彼はどんな時も自分の欲望のまま行動するばかりでした」
睦さんは何度お願いしても、避妊することなく性交させられたので「今は子育てが大変だから、そんなに頻繁にセックスに応じることはできない」「またすぐに妊娠しても困るから」と夫を説得したそう。
「すると『セックスしてもらえないのは、子どもがいるからだ』と騒ぎ出しました。怒り任せに我が子を怒鳴りつけたり、体をつねりあげたりするようになって。上の子はもう何でもわかるので、夫の言動にびくびくして、姿を見るだけでおびえるようになってしまいました」
何度も望まない妊娠をさせられた睦さん。不満ばかりが募る中、彼女の身に予期せぬ出来事が襲いかかる。
記事後半は【お風呂あがりに無理やり「性行為」をさせられて…専業主婦妻を妊娠させつづける夫の「恐ろしい目的」】から。
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